アパートのオーナーの気まぐれには嬉しかったり悲しかったり

以前住んでいたアパートの事ですが、オーナーさんがかなり変わった人でした。

すぐ近くに住んでいて、相当な老齢にもかかわらず何かあると必ず自分で対応しようとしていました。

専業主婦の娘さんが同居しているのにも関わらず、全く頼もうとしないのです。

そればかりか突然訪ねてきて、何か問題がないか確認したりもしていました。

ある時どんなトイレがいいか聞かれて、シャワートイレが便利ですと答えました。

するとその二週間後に全部屋のトイレがシャワートイレになったんです。

快適になって嬉しいのですが、後で何か言われそうな気がして素直に喜べませんでした。

というのもそれより前にケーブルテレビを契約しようとしたことがあったのですが、回線の工事が外観を悪くするという理由でオーナーさんが許可しなかったことがあったんです。

工事の確認で許可されないなんて、ケーブルテレビの担当者も驚いていました。

しかも理由が外観ですから意味不明としか思えませんでした。

駐車場の壁に軽く傷をつけてしまった事があったのですが、謝りに行くと弁償どころか気にするなと言ってくれた事も有りました。

かと思うと、空いている駐車場のスペースを一日だけ使わせてくれと頼んだ時には、何が起こるか分からないから使わせられないと断られました。

ことほど左様に予測がつかないところに困ってしまう事が多かったのです。

何故だか気に入られてしまったようで、休みの日とかに家に招待されたりもしていました。

他の部屋の人達には挨拶くらいしかしていなかったようなので、嬉しいというよりなんだか不安に思えていました。

オーナーさんはアパート経営の前には工場を幾つも持っていたらしく、工場を閉鎖してその跡地にアパートを建てていたようです。

何の工場かは知りませんが、従業員も相当いて儲かっていたようです。

工場の事務所だったところはそのまま残してあり、電気等も通じているようなのですが使っているようには見えません。

そこかしこに金持ちの道楽的なところが見え隠れして、住人としては何か落ち着かない感じがしていました。

悪い人ではないと分かってはいましたが、自分勝手なところが前面に出てしまう事が多いのも感じていました。

仕事の都合で引っ越しする事になった時、退居を告げに行くと何故か笑顔で握手をされたのが今でも意味不明です。

退居時にも敷金は全額返してくれたのですが、引っ越し業者の車を駐車場には入れてもらえず、最後まで翻弄されたような気がしています。

アパート探しは疲労困憊したけど、よい人生経験になりました。

初めてアパートに引っ越そうと決断した時、最初に何したらいいか、どんな作業からスタートしたらよいのか何もわからなかった私です。

けれど、何にでも「初めて」はあるものですから、まずは決っていることは何か、考えました。

えっと・・それは職場からの距離が30分以内であること、それだけです。

今の住居が職場からそのくらいの位置にあり、そこから遠いのも、逆にあまり近いのも「あの人、あそこに住んでるよ」と思われて具合がわるいな、という理由からでした。

次にどっち方面でアパートを探す?と自問し、住みたいのは、この辺かな、という目星をつけてスタートしました。

そこから物件があるとかないとか、安いとか高いとか、いろいろ見えてくるかな、と考えたからです。

そして、やっぱり次第に「知っている!」という地域の方向へと家探しが流れていくものですね。

3万円とか、4万円とか、だいたいの料金を検索にかけると、写真と共に幾つもの物件が紹介されていくようになり、次第に見るコツも掴めてきます。

その中を泳ぐように渡り歩き、時に室内をぐるっとサイト内機能を使って見渡してみたり、周囲の雰囲気を確認したり、築年数などを比較したり、それはそれは気の遠くなるような調査となりました。

今思いだしても、もう二度としたくないくらいです。

そもそも面倒なことが大嫌いな性分なのです。

できるなら、全部誰かに一任したいくらい、そうは思えど、住むのは私なのですし、ひょっとしたらこれが終の棲家になるかもしれない、と思うと、また顔を洗って仕切り直すのでした。

さて、そんな作業をしているうちに、自分がアパートに対して一番何を望んでいるのか、という、本来なら最初に考えるべき問いへと立ち返るのでした。

それはせめてみすぼらしい外観ではないアパートがいい、というものでした。

これは知り合いに案内しても恥ずかしくない外観でありさえすればよい、程度のことです。

なんせ私ぐらいの年代の方の中には、とっくに立派な持ち家を所有している人も多いのですから。

また、もう年齢的にも私は決して若いとは言えないし、これまで散々広い家を清掃する大変さを思い知っているので、もう、一人分が質素に住めるワンルームでいいか!と決断したのでした。

但し、綺麗な部屋!

そこまで来ると、もう後は早い物で、どんどん物件も絞られていき、料金、場所、比較的良心的な感じの不動産の順に目星をつけていきました。

最後の不動産は、地域に沢山あるのですが、ここもグループ会社のようなのではなく、地域密着型で以前から名前に馴染みのある不動産を尋ねました。

どんなことでも「なんか知ってる」という所に安心感があるものですね。

そんな風にして、ようやくアパート契約へと漕ぎつけ、今の暮らしに至るのでした。

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